TwitterとFacebook: 怒りに乗じる設計

エズラ・クラインによる最近のVox.com記事は、Twitterの核心的なところをついている。「Twitterは、友達との繋がりを強め、敵対する者への憤りを深め、プラットフォーム(Twitter自体)へのエンゲージメントを高めるための”歪み”」を活用し、私たち利用者が怒りを感じるように設計されている、と言うのだ。

この特徴は、現代のソーシャルメディアの大半に該当すると言える。

1. 人々の注目を集め、クリックさせることが目的=ビジネスモデルである。

2. 人というものは「感情が高まった状態」である時にクリック率が高くなる傾向にある。

3. 大規模に人の感情を高めたい時、一番簡単な方法は「抑えがたい怒り」を引き起こすことである。

したがって

4. ソーシャルメディアは通常、我々をわざと怒らせるような作りにデザインされている。

過去10年にわたってイラつきを感じたりムッとするような状況を常に体験させられることにより、人々が色々なダメージを受けているのも当然だ。こんな風に作られたソーシャルメディアが、健康やコミュニティ、民主主義にまで及ぼす犠牲の大きさを考えれば、広告の結果もたらされる収入など微々たるものである。

先日フェイスブック他社に先んじて、アップルがインフォウォーズというサイトのコンテンツ配信を禁止した。フェイスブックと比べた時、アップルにはなぜこのような処置がとりやすいのか? こう考えてみるとわかりやすい。

フェイスブックやツイッターは、クリックで儲かるタイプのビジネスだ。そしてクリック率は、人々が感情を乱せば乱すほど高くなるのだ。つまりフェイスブックやツイッターの場合は、ユーザーに強い感情を持たせるほど、収益が上がることになる。それがたとえ負の感情であっても。

それではアップルはどうだろう。彼らは高価格なスマートフォンを売ることで儲けている会社だ。商品を売る対象である消費者が高いスマホを買う確率が高くなる精神状態とは? 「自分らの人生が守られている、安定している」とある程度感じられる時の方が、財布の紐も緩みやすいだろう。そのためアップルにとって「心がかき乱された状態にある人々」は収益につながらないのだ。

禁止されたインフォウォーズというサイトには、読んだ人々の感情をあおるような情報がたくさん載っている。アップルのビジネスには悪影響だが、フェイスブックやツイッターには好影響な類の情報だ。企業の目指す姿とそのレベニューモデルが相反する時、売上が優先されがちだ。

さらにメディアの収益を計算する思考実験として、こんなものはどうか?

インフォウォーズサイト自体が広告などで得る収益と、フェイスブックやツイッターがインフォウォーズのコンテンツのおかげで得る収益を比べると仮定する。インフォウォーズの内容に同意する肯定派がサイト自体に落とす金額と、同内容に猛反発して「こんな酷い記事はない」と投稿したりクリックしたりする反対派がソーシャルメディアで落とす金額を比較したら、どちらに軍配が上がるだろうか?

メディアというものは、人々を納得させるよりも、怒らせた方が、ずっとずっと儲かるものなのかもしれない。

ツイッターもフェイスブックも、最初は意見を対立させて人々をぶつからせ、炎上をあおることが目的でなかったのは明白だ。インスタグラムやリンクトインなど他のソーシャルメディアは、この罠にハマることをうまく避けてきたように思う。

だが避けることのできない現実がある。それは、「大規模な自動的に生成される怒り」が自分たちに都合の良いことに安住するズボラなビジネスモデルが、今日ある問題の多くを引き起こしているということだ。

そんなモデル、変えてやろうじゃないか。

Twitter and Facebook: Angry by Design by Phil Libin 抄訳